オッテンザマーのクラリネット

  • 2006/06/05(月) 21:05:08

エルンスト・オッテンザマー、ウィーン・フィルを代表するクラリネット奏者の一人です。個人的には、現在ウィーン・フィルに在籍する中では最も好きな奏者。

あまり録音の数は多くないのだけど、最近は演奏活動だけでなく録音にも積極的になりつつあるように見える。つい先日出たばかりのディスクを手に入れたので聴いてみた。

曲目としては、定番中の定番のブラームス作曲「ピアノとクラリネットのためのソナタ」が1番・2番ともに入っていて、これを目当ての人も多いだろうと思う。ボクが聴いて「目が点」になったのが、ストラヴィンスキーの「3つの小品」。そう、先日シュテフェンスのアルバムの事を書いた時に入っていた曲。

こんな曲だっけ?

素直な第一印象が、これ。あまりにも柔らかい音で奏でられるために、全くといっていいほど印象が違う。ブラームスには違和感が無くてスッと耳に入ってくるんだけど、さすがにストラヴィンスキーは凄いです。参りました。



   


安定期?

  • 2006/06/02(金) 11:44:19

最近、オーディオの方はすっかり落ち着いてしまっている。本来の目的の「音楽を聴くこと」はほぼ毎日絶えることはないのだけど、機器について「あれをどうしよう、こうしよう」といった事が無いのです。

幸福なことなのだと思うことにしてますが…。悩んでいる時がそれはそれで楽しかったりするのも、また事実(笑)



   


シュテフェンスのクラリネット

  • 2006/05/28(日) 11:51:28

カール=ハインツ・シュテフェンス、元はバイエルン放送響の首席クラリネット奏者であり、数年前からベルリンフィルのソロクラリネット奏者。

ボクの記憶に一番残っているのは、バイエルン放送響時代にマゼールの指揮で演奏されたウェーバーのコンチェルト第1番。ドイツのクラリネットらしい、甘くそして影のある音色で奏でられた、それはそれは素晴らしい演奏だった。

そのシュテフェンスの録音はスイスのTUDORから何枚かリリースされている。たまたまボクが店頭で見つけて驚いたのが、ここで紹介する「Blue Rondo」だ。ざっと曲目をみて欲しい。

1. Blue Rondo A La Turk / Dave Brubeck
2. Premiere Rhapsodie / Claude Debussy
3. Waltz For Debby / Bill Evance
4〜6. Sonatine pour Clarinette et Piano / Arthur Honegger
7. Minha Saudade / Joao Donato・Joao Gilberto
8〜10. 3 Pieces for Solo Clarinet / Igor Stravinsky
11. Yardbird Ste / Charlie Parker
12〜14. Sonate pour Clarinette et Piano / Francis Poulenc
15. A Child Is Born / Thed Jones

のっけからこのディスクのタイトルとなっているジャズナンバー。「これが本当にあのシュテフェンス本人の音だろうか?」というジャズクラリネットの音。そこには彼がオーケストラで聴かせているような音は全く無く、でも物凄く聴き心地の良い、上品なジャズクラリネットの音色が現れる。

その後はフランス物を中心としたクラシック作品とジャズが交互に入れ替わる構成になっている。クラシックの作品においては、当然ながら(?)いつものシュテフェンスの音になっている。ドビュッシーの第一狂詩曲をはじめ、ドイツクラリネットではあまり聴くことのない作品ばかりが並んでいて、非常に面白い。他にこのあたりの曲目をディスクで聴くことが出来るドイツ系奏者といったら、カール・ライスターくらいじゃないだろうか。

フランス物ということもあるのだろう、ドイツ系奏者には珍しく、柔らかくビブラートをかけているところもある(一般的にドイツ系クラリネットではほとんどビブラートをかける場面を見かけない)。

ドイツ系奏者があまり得意としないフランス物だけでなく、クラシックを飛び出してジャズまで見事に吹ききってみせる…。ジャンルなど関係なく、クラリネットという楽器を自在に操ることが出来る、シュテフェンスの魅力と可能性を十分にアピールした一枚と言って良いのではないだろうか。



   


フランセ「クラリネット協奏曲」

  • 2006/05/14(日) 00:04:37

このディスクに一緒に入っている、コープランドやニールセンのクラリネット協奏曲の方が数倍有名だろうけど。そこを敢えてフランセの曲にスポットを当てて紹介。

まずは演奏者から。クラリネットはフィリップ・キュペール、ブルターニュ・オーケストラが伴奏に入っている。フランセのコンチェルトのみ指揮はフランセ。そう、自作自演です。曲自体はコミカルな所有り物悲しい所有りで、メロディもわかりやすく、比較的聴き易いのでは。

聴き易さとは裏腹に、演奏家にとっては相当難易度の高い曲と思われます。キュペールは何事も無いかのように吹いてしまってますが、こういうのを名人芸と言わずして何と言うのでしょう。ボクはこの曲の録音をモーリス・ギャベイの演奏で聴いた事がありますが、キュペールに比べるとかなり辛そうでした。オーケストラとの掛け合いもバッチリ。さすがに作曲者自身が指揮しているだけある(?)

一曲目に入っているコープランドがベニー・グッドマンのために書いた協奏曲も、期待を裏切らず美しいです。手に入りにくいけれども、ぜひ手に入れて欲しい一枚。



   


プーランク「スターバト・マーテル」

  • 2006/05/08(月) 00:06:52

13世紀に生まれたカトリック教会の聖歌の一つ。その詩にプーランクが曲を付けたもの。のっけから非常に透明感のある響きが部屋中を満たしてくれる。映画音楽のように感じられる箇所もあるけれど、けっして表面的な音楽にはなっていない。初めてこのディスクを聴いた後、まるでひとつの物語を読み終えた後のような心地良さをおぼえた。



このCD、じつは3枚組になっているものを買っている。3枚組は見当たらなかったので、それぞれ紹介しておこう。他の2枚も作曲家違いの「スターバト・マーテル」。ボッケリーニのものと、ペルゴレージのものだ。他にもヴィヴァルディ、ロッシーニ、ドボルザーク…他にも多数の作曲家が曲を付けている。それぞれ聴き比べてみてはいかが?

 



   


サン・サーンス「クラリネットとピアノのためのソナタ」他

  • 2006/05/07(日) 14:39:48

今回紹介するのは、サン・サーンスによる木管楽器のためのソナタを集めたディスク。前々から紹介したいと思っていたのだけれど、輸入版のためなかなか画像などが見つからなくてここまで来てしまった。

入っているのは、
「オーボエとピアノのためのソナタ」
「クラリネットとピアノのためのソナタ」
「ファゴットとピアノのためのソナタ」
「フルートとピアノのためのロマンス」
「フルート、オーボエ、クラリネットとピアノのためのカプリース」

どれをとっても美しく印象的な曲。オーボエはゴリツキ、クラリネットはローデンホイザーと、ドイツにおける超一流の顔ぶれが並ぶ。サン・サーンスはフランス人だけど、曲の作りはカッチリしていてドイツの音色もよく似合う。録音的にもかなり良い部類に入るだろう。

木管楽器の音の美しさを再認識させられた一枚。



   


R・シュトラウス 交響詩「ドン・ファン」

  • 2006/03/21(火) 09:10:40

なんと言っても出だしの格好良さ!この曲ほど曲の頭が格好良い曲というのは、他になかなか見つからないだろう。某芸能人格付けバラエティ番組でおなじみの(?)あの曲、と言ってしまえば話は早い?(グローフェ作曲「ミシシッピ組曲」をウルトラクイズのあの曲、と言うようなものですね)

R・シュトラウスときたらウィーンフィルで聴くでしょう。物語の緩急と色艶という点では他の追随を許さないんです。だから今回は全てウィーンフィルのディスクばかりです。

最もオススメしたい盤がドホナーニのもの。精緻かつ流麗、この曲とウィーンフィルの美しさをそれぞれ存分に鳴らしています。次にクラウスですが、残念ながらこれはモノラル録音。録音自体は悪くないので、より「濃いウィーンフィル」を聴きたい場合はこちら。そして壮年期のカラヤン。もともとR・シュトラウス独特のコブシがウィーンフィルという楽器には沁み込んでいるためか、あまり表面的になっていないのが好ましい。

次にベーム。多少流れが途切れるような感覚があるけど、これも味?そしてプレヴィンは録音の良さで定評のあるテラーク盤で、オーディオ的空間表現は抜群。ただ、他にあげたCDに比べると演奏自体はサラッと薄味な感じがするのが残念。

  

 



   


スピーカーセッティング変更

  • 2006/03/20(月) 11:47:15

少しだけ変えてみました。高さは変えずに、間隔と方向だけ変更。今までより左右のスピーカーの間隔を14cmほど狭め、スピーカーの向きをリスニングポイントに向かって直線になるようにしました。結果、以前より少しだけ内振りに。

結果はほとんど今までと変わらない感じに聴こえます。ほんの少し「定位がハッキリしたかな」とも思うのですが、気のせいかもしれないというレベル。もともと、おかしく聴こえないようにセッティングした結果が従来の位置なので、「こう置いたら見違えるように良くなった!」なんてのがあっても困るんですが。

同じ内振りでも、以前試してみたような左右の間隔が広めでスピーカーの軸線がリスニングポイントより手前で交差するような、極端な内振りはウチの部屋の場合はあまり良い結果にならないので、今回くらいのリスニングポイントに向かうくらいの内振りが限度。しばらくこれで聴いてみよう。



   


ブルックナー「交響曲第8番」「交響曲第9番」

  • 2006/03/17(金) 06:41:23

正直言って、ボクはブルックナーの交響曲はあまり得意ではない。同じリズムと耳に残らない曲調(失礼!)、どうしても退屈してしまう。一般的にはそこそこ人気のある4番「ロマンティック」を聴いていてもだ。

そして今回紹介する8番・9番だ。決してこの曲を聴いたのはその時が初めてではなかったのだけど、ちっとも良いと思わなかった。それまで同様に「退屈な曲だなぁ」と思っただけだったのだ。ところが、このシューリヒト指揮/ウィーンフィルによる8番・9番だけは違った。聴いていて音楽に入り込める。8番の2楽章の動き、9番全体を支配する祈り…ブルックナーを聴いて初めて味わう感動だった。

現在ではお気に入りの一枚。



   


サン・サーンス「ヴァイオリンソナタ」

  • 2006/03/05(日) 11:32:58

以前紹介したフランク・ペーター・ツィンマーマンも好きなヴァイオリニストだけど、ギル・シャハムも好きなのです。美しい音と圧倒的に高い技術を持ちながら、それをひけらかすような弾き方でなくて自然に、気持ちよく弾いてくれるから。乱暴になり過ぎることがほとんど無いところも好き。

パガニーニ「ヴァイオリン協奏曲第2番」のエントリーの時に「パガニーニ・フォー・トゥー」「シューベルト・フォー・トゥー」というシャハムの録音を紹介していたけど、もう少しシャハムの魅力を追ってみる。1971年生まれのシャハムがまだ20歳になる前、90年の録音となるサン・サーンスのヴァイオリンソナタ。ピアノはオピッツです。もうこの組み合わせだけで悪い演奏になりようがないでしょう。

サン・サーンスのヴァイオリンソナタでは冒頭の鳴り出しからスッと音楽が入り込んできます。テクニックに裏打ちされていて、難所で息詰まるような事が無いというのも一つの要因と思います。終わりのアレグロ・モルトでは、速度が上がっても音楽がないがしろになるなんて事は無く、ピアノとの恐ろしいユニゾンまでもが気持ちよい。フランクの「ヴァイオリンソナタ」とラヴェルの「ツィガーヌ」がカップリングで入っていて、フランクの方はイヤらしくなり過ぎる事もなく、あくまでも曲の美しさを前面に出した演奏。ズカーマンあたりの演奏と比べてみると面白いかも。ツィガーヌはもう、流石です。この曲のためだけに買っても良いかもしれない。