サン・サーンス「ヴァイオリンソナタ」

  • 2006/03/05(日) 11:32:58

以前紹介したフランク・ペーター・ツィンマーマンも好きなヴァイオリニストだけど、ギル・シャハムも好きなのです。美しい音と圧倒的に高い技術を持ちながら、それをひけらかすような弾き方でなくて自然に、気持ちよく弾いてくれるから。乱暴になり過ぎることがほとんど無いところも好き。

パガニーニ「ヴァイオリン協奏曲第2番」のエントリーの時に「パガニーニ・フォー・トゥー」「シューベルト・フォー・トゥー」というシャハムの録音を紹介していたけど、もう少しシャハムの魅力を追ってみる。1971年生まれのシャハムがまだ20歳になる前、90年の録音となるサン・サーンスのヴァイオリンソナタ。ピアノはオピッツです。もうこの組み合わせだけで悪い演奏になりようがないでしょう。

サン・サーンスのヴァイオリンソナタでは冒頭の鳴り出しからスッと音楽が入り込んできます。テクニックに裏打ちされていて、難所で息詰まるような事が無いというのも一つの要因と思います。終わりのアレグロ・モルトでは、速度が上がっても音楽がないがしろになるなんて事は無く、ピアノとの恐ろしいユニゾンまでもが気持ちよい。フランクの「ヴァイオリンソナタ」とラヴェルの「ツィガーヌ」がカップリングで入っていて、フランクの方はイヤらしくなり過ぎる事もなく、あくまでも曲の美しさを前面に出した演奏。ズカーマンあたりの演奏と比べてみると面白いかも。ツィガーヌはもう、流石です。この曲のためだけに買っても良いかもしれない。